日本の伝統文化と「茶」

日本の伝統文化と茶
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日本の伝統文化と茶
高山茶筌の茶筌師

 高山茶筌の里の茶筌師 久保左文(竹茗堂)氏をお尋ねしていろいろ茶筌の心をお教え頂きました。茶筌は日本の伝統文化である茶道に使われる伝統工芸品であり、見て綺麗で使いやすく耐久力があり衛生的でなければならない。このためには長年の経験と精神力に加え使う人の心になって造らなければ良い茶筌はできないと、そして伝統技術を細く永く伝承していく気持ちが大切と教わりました。「茶」と「茶筌」の究極の組み合わせと伝統に共通する「頑固までのこだわり」を感じました。氏は茶筌一筋に歩み茶筌の研究、師弟の育成、品質の優秀にも尽力され生駒商工会議所会頭として竹材工芸の町おこし振興などの幅広い活動もされています。
歴史的には茶筅が出現しましたのは中国・北宋末の徽宗皇帝が著わした「大観茶論」・1107年の茶書に茶筌が初めて文献に登場しました。わが国の抹茶を用いる茶道は茶筌があって初めて成立つものであります。
今日の茶筌は日本の茶道と共に歩み進化し独自なものとして誕生し道具ではなく芸術まで高められたものとして今日に至っています。日本の茶筌の歴史、種類、茶筅造りなどの詳細は次のサイトをご覧ください。
【2010年5月27日 久保左文・竹茗堂にて】
竹茗堂 久保左文のサイト

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 次に竹茗堂の茶筌と従来から使っています茶筌で点て、一服(薄茶)をいただきました。抹茶(濃茶用)と茶碗は普段愛用していますものを使用し比較しました。
感想:竹茗堂製の茶筅が泡立ちが良く、きめが細かく混ざり易い、しかも使いやすく疲れないのです。味はまろやかで口味もよく苦みも殆どありません。急須で淹れるお茶とは異なりますが抹茶と茶筌と茶碗が一体となり醸し出す風味に驚きです。同じ条件(お湯はポットの湯95℃位、茶筌の使い方、茶碗、抹茶を茶杓2杯、約2g)で点てました。茶筌の違いで味に大きな影響があることが分かります。異なる茶筌を同時に使い比較して始めて茶筌師 久保左文氏のお言葉と「茶筌の心」が理解できました。そしてお点前を知らなくても抹茶と茶筌があればいつでも一服できます。素晴らしい至福のひとときを味わってください。

使用した茶筌(使用前) 使用した茶筌(使用前)
使用した茶筌(使用前)
志野茶碗 地元赤膚焼茶碗
志野茶碗
地元赤膚焼茶碗
信楽自然釉茶碗 使用後の茶筌
信楽自然釉茶碗
使用後の茶筌

刀匠ご家族との交流

 縁あって、河内國平刀匠(奈良県無形文化財)邸を訪れ、中国茶・日本茶で来客をおもてなしすることによって、そして茶文化そのものについて、ご主人(刀匠)と奥様、並びにお嫁さんと深く語らう機会を得ました。同時に茶の美味しい淹れ方など、実技についてもお教えしています。
 実技体験のあとの説明もいたしながら、奥様の熱心さとのみ込みの早さには驚かされました。茶話は無限に広がり、時の経つのを忘れます。刀匠ご一家の皆様との議論の中で、「茶」と「刀」との違いはありますが、伝統文化の原点に対する共通の認識を感じました。特に刀匠の頑固なまでのこだわりと、先の変化を見据えてなお伝統を守り抜こうとする信念が、ひしひし伝わってまいりました。刀匠の柔和な笑顔から想像できない信念の強さです。そして、刀匠のお弟子さんを家族の一員と同じように裏で支えるなど、奥様の存在の大きさは相撲部屋のおかみさん以上と思った次第です。
 長い時間をかけ真っ赤に焼けた鉄に命を吹き込む刀鍛冶の仕事と、生活の中に溶け込み潤いを与え続けるもてなしの茶文化。同じ伝統に基盤を置いた感性の共同性を認識して、「茶」と「刀」の文化的融合による、新しい「もてなし」を創造して行く第一歩を感じさせて頂きました。
【2009年5月17日 河内國平宅にて】
無玄関 河内國平刀匠公式サイト Mugenkan

河内國平刀匠展示室
河内國平刀匠展示室
ご家族で茶を楽しむ・左から裕子さん(長男のお嫁さん)耕太郎君(長男の息子さん)あや子さん(奥様)
河内國平刀匠
お茶請けのお菓子

 お茶とお菓子。この二つの伝統文化に共通するキーワードは「頑固なこだわり」です。現代中国の家庭では茶を飲用し楽しむことが中心になり、茶果(菓子)や点心は茶館等が出すもになっています。一方日本では、禅宗文化から菓子と点心が茶と組み合わされ喫茶文化として広がり、茶の湯とともに発展しました。季節感を重視する日本の文化的伝統と合致した菓子は、「茶と共に菓子を食べる文化」として奈良町にある樫舎(かしや)の御干菓子や季節の和菓子をよく求めます。特に御干菓子は中国茶・日本茶のどちらにもよく合い、急の来客にも対応でき、外国に持参するお土産としても重宝しています。自信をもってお出しでき、「茶」と「お菓子」の絶妙な組み合わせにお客様の笑顔もこぼれます。ご主人の喜多さんは、素材と手間を惜しまない頑固なこだわりに裏打ちされた和菓子づくりに励まれています。新たなもてなしの誕生です。
【2009年3月26日 樫舎にて】
萬御菓子誂處 樫舎(かしや)のサイト

喜多店主と店先で
御菓子司 樫舎の店舗
菓子見本
御干菓子の一例
「木」の素材にこだわった家造り

 我家のリフォームをしました。私の家族は、今回のリフォームに際し、ただ空間と設備関係が新しくなればと念じ、各社に企画と見積もりを依頼したのです。その結果、宇治市のツキデ工務店だけが、家族の動線を重視して間取りの一部変更を提案し、素材に天然素材を使うなど、住みやすいを第一に考えた企画を出してくれ、私達のリフォームの概念を根本的に改めてくれました。工事期間中は、壁を壊すなど大変でしたが、今は家族がこの住空間で生活する楽しみを味わい、本当に良かったと感謝しています。
 ツキデ工務店の社長も頑固な「木」へのこだわりを持ち、伝統の手仕事と先端の技術を生かした「無垢の木の家」づくりが専門です。新しいエコロジーの考えも取り入れ、伝統工法・木のやすらぎ・陽のぬくもりを大切にし、住む側の暮らしへの愛着を読み、そこから「いい素材、いい設計、いい職人」「生涯の木の家」といったキャッチフレーズも生まれてきました。
 言葉では語り尽くせませんが、同じ伝統の中で育まれた「茶」と「伝統工法の家」、そして「茶の香り」と「木の香り」に何か共通性を感じます。そして社長の奥様はお茶が大変好き。やっぱりここにしてよかったと、いつでも本音でいえる会社です。
無垢の木の家 京都・宇治 ツキデ工務店のサイト